山本 眞由美 センター長
岐阜大学保健管理センターは、学生の健康管理・健康教育を専門に行う施設です。「こころ」と「からだ」の両面から健康を全面的にとらえ、学生の健康を支援します。在学中だけでなく、卒業後も健康を自ら維持する自己管理能力を学生に身につけてもらうよう、生涯健康教育にも力を入れています。その他、学内でのけがや体調不良に対応する応急処置業務はもちろん、大学生の健康管理の分野での研究や地域貢献活動も行っています。また、感染症対策を含む学内の安全衛生環境管理業務や職員の健康管理も本センターの産業医活動としてお手伝いしています。本学は、教職員が自己健康管理の範を学生に示してこそ、学内のヘルシー&クリーンキャンパスが実現できると考えているからです。
多くの学生は、大学入学後、親元を離れ、初めてひとり暮らしを始めます。生活が不規則となり、栄養のバランスもくずして健康にも影響が出るかもしれません。お酒やタバコを覚えるとなおさらです。このような生活に対し、毎年の健康診断は注意信号を与え、病気を未然に防いだり、早期発見を可能にします。本センターでは、新入生全員に採血検査を実施するなど、質の高い健康診断の実施とその結果に基づいた適切な健康指導にも力を入れています。
学生は、大学に入ってサークル活動やボランティア活動など、行動範囲も人間関係も広がります。多くの学生は「健康についての知識」と言われても人ごとのように感じるかもしれません。しかし、そのくらい余裕のあるうちに健康を維持するのに好ましい生活習慣を身につけることが、生涯の健康を維持するためにとても大事です。生活習慣とは、睡眠、食事、運動などが有名ですが、日ごろの生き方すべてが関与します。たとえば、ストレスを過剰にため込まないように人間関係を構築すること、自分の生きがいを感じることのできるように居心地のよい組織を構成する一員であること、など経験から学んでいくこともあります。また、自分の体調管理をする能力、つまり、疲れたら休養をとり体調を整えること、定期健康診断を受けて結果に基づいて健康について確認すること、体調不良の時は無理をせず医療機関を受診して早期解決すること、など、まさに、ひとりひとりの人間力に関わることであります。好ましい生活習慣は、生涯の病気を予防するだけでなく、人生の満足度や生活の質も向上させることが知られており、健康に生きる知恵の蓄積とも言えます。
本センターは、学生の人間力を高めるお手伝いを「健康」の側面からできるよう、我々も日々、資質を高めるべく研鑽し、誇りをもって業務にあたっています。学生の皆さんはもちろん、ご家族にも本センターの機能と役割をよく知っていただき、活用していただけることを願っています。